聖賢の国へ①
取引先の視察及びコンサル業務発掘の為、インドに行ってきた。
最早、海外進出は特別なことではない。多くの業種が避けて通れない道だ。
今回の仕事も、会社として獲得できるか出来ないか分からない状況の中で、俺に出張命令が出た。
好奇心も相俟って、直ぐ様に出張準備を整え飛行機に飛び乗った。機先を制するスピードが唯一の取り柄だ。
因みに俺は海外通でも国際派でも何でもない。学生時代に数回遊びで海外に行っただけだ。英語もカタコト。
久々の海外でバッグ片手に仕事をしながらインドを縦断しなければならない。
不安を抱えながらインド・チェンナイを目指す。時差ボケ対策で眠ろうとするがうまくいかない。ビールを飲んだら何故か余計に火照り、目が冴え眠れなくなった。
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