横浜駅西口 新田間川沿いの屋台
横浜駅西口を出る。高島屋を抜けると雑多な街並みが広がる。チェーン居酒屋、ファーストフード店、風俗まがいの店に、パチンコ屋。怪しげな客引きに、スカウト達。景観を良くしようと建てた各種インフラも俗世に上塗りされ意味をなさない印象だ。新田間川沿いへと進む。
屋台の隣にある看板である。
「屋台撤去について警告」とある。
この屋台は横浜市が管理する道路区域を不法に占用している物件であり、当然無許可だ。
看板の日付は昭和63年12月28日となっている。
強制執行が出来ず、かなりの年月が過ぎた証だ。
彼らは昭和30年代からこの場で営業し続け、一部の立ち退きもあったようだが、まだ数軒は当時のまま営業を続けている。
市民からは即時強制退去の声もある。
逆に80年代には強制退去に反対する署名活動もあったと。
確かにテナント料を払って、近くで経営する居酒屋店主からすれば「ずるい」と思う感情があって当然だろう。
だが、本当にこれらが交通の妨げになっているか、そして景観を損ねているか、というと個人的にはやや疑問が残る。
そして、少なくとも今日一番好奇心が疼いたのはこの光景だ。凄まじい個性を感じた訳だ。
この地域が原っぱだった頃から半世紀も続く商売を、今の価値観で「違法」だと一言で片づけていいものだろうか。
世の中には白黒はっきり出来ないグレイなものがあっていいと思う。だから面白い。
強者の矛盾には目を瞑るが、弱者の既得権は容赦しないというのも寛容さに欠ける。
引き続き、公には認められないもので良い。しかし、社会の裏でひっそりと続く、不思議な世界も許容出来る、そして大きな問題にも発展しない。それが日本ならではなのではないかなぁ。。
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