湘南リーマン新天地へ②
転勤族らしく湘南リーマンは地方へ転勤することになった。
転勤の挨拶にお得意様を回った。
ある社長から別れに言われた言葉が印象的だ。
その社長は俺も随分、見積りや交渉時には悩まされ、周りからも変人と扱われてきた人物だった。
「短い付き合いだったが、俺は君の事を忘れないと思う」「記憶に残る担当者だった」「君は一見取っつきにくく、また色んなことに対して不器用なんだと思う」「何でもスマートに出来るタイプではない」「しかし、一度付き合い始めるとぐっと相手の懐に入り、本音で語ってくれる人だった」「同業のどこにも中々いない人だった」「器用な芸術家は大成しないと言う。何でも器用に出来てしまう人はある程度まではいくが、これで良いと満足してしまう」「君は君らしくじっくりやればきっと大丈夫だと思う」
彼は涙ながらに語った。
こういう場面に何度か出くわす。仕事には妥協や嘘がないことが望ましい
。そして俺は湘南を去る。
iPhoneからの投稿—–