熱海へ⑤
駅前に出ると観光地としての底堅さに驚く。いかに時代が移り変わろうとも東海道線が通り、温泉が湧く、海に面したこの土地は不変的に人を惹き付ける。但し悩ましいのは迎える側の変わらなさか。駅前の観光案内所は寂れ、迎える人はテレビを見て煙草を吸い客を無視。自分は引退、昔は良かったな、頑張った。
今はネットがある。果たしてそれに勝つ戦略や意地はないのか。
商店街では昔流行った商法を手に、同じ商品を少し工夫して店頭に並べる。今、その時その場でしか買えないものは少ない。
時代の流れだからね。
数回失敗しただけで諦めるのか。これを単に政治や時代のせいだけだと言えるだろうか。素晴らしい環境を背に自責の念には囚われないのか。そんなことを思い、帰路につく。来年は初島に行こう。—–